2024 年 16 巻 1 号 p. 63-66
症例の概要:63歳,男性.下顎左側臼歯部のブリッジ動揺による咀嚼困難を主訴として来院した.動揺の原因となっている予後不良歯を抜歯した後,インプラント治療を行った.
考察:予後不良歯の処置を行い,インプラント体で支持した固定性歯冠補綴装置を装着したことで,咀嚼機能は向上していることが明らかとなった.また,口腔内スキャナーを用いたことで,適合の良好な補綴装置を製作することが可能となったため,安定した経過を得られていると考えられた.
結論:本症例において,口腔内スキャナーを用いて上部構造を製作した結果,高い印象精度と咬合採得の簡易化が可能となり,患者の主訴である咀嚼障害を改善することが可能となった.