2024 年 16 巻 2 号 p. 287-290
症例の概要:患者は77歳女性.上顎および下顎臼歯部におけるインプラント体撤去後に,可撤性床義歯を装着したものの著しい咀嚼障害を訴えていた.下顎残存歯には固定性補綴装置を,上下顎欠損部には再度インプラント支持型補綴装置を装着することにより咀嚼機能の回復を行った.
考察:インプラント治療の既往があり,可撤性補綴装置による咀嚼機能の低下と違和感が消失しない症例に対しては,適切な診断のもと,インプラント支持型の固定性補綴装置を再び適用する有用性が示された.
結論:可撤性補綴装置では改善されない咀嚼障害に対して,インプラント支持型補綴装置を装着することにより,咀嚼機能の回復と患者満足度の改善に貢献できた.