2024 年 16 巻 2 号 p. 299-302
症例の概要:76歳女性.義歯の不適合により咀嚼困難を訴え来院した.上顎にはオーバーデンチャーが,下顎には部分床義歯が装着されていたが,咬合平面が著しく乱れ,咀嚼時に義歯の動揺を認めた.咬合平面を適正化した治療用義歯を製作し,咬合の安定を図った後に最終補綴装置を上下顎に製作した.
考察:治療用義歯の形態を最終補綴装置に移行することで,予知性の高い補綴装置の製作が可能になり口腔に関連するquality of life,義歯に対する満足度が改善できた.
結論:咬合平面が乱れている患者に対し,治療用義歯を用いて咬合の安定を確認し,補綴装置の製作を行うことにより,良好な結果を得ることができた.