2024 年 16 巻 2 号 p. 303-306
症例の概要:患者は70歳男性.歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院した.重度慢性歯周炎による全顎的な骨吸収や多数歯の動揺,クラウン辺縁に不適合および二次齲蝕が認められた.治療用義歯を装着後,歯周基本治療を行い,残存歯の保存可否を判断したうえで,上顎はチタン床総義歯,下顎はコーヌスクローネ義歯を製作し,咬合再構成を行った.
考察:コーヌスクローネ義歯の二次固定効果や容易な清掃性により,残存歯は良好な歯周組織状態が維持されている.
結論:歯周治療後,総義歯およびコーヌスクローネ義歯を用いて咬合再構成を行い,安定した予後を得ることができた.