日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
頰粘膜癌切除後の開口障害を伴う上下顎無歯顎患者に対して全部床義歯を製作した症例
伏田 朱里
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 16 巻 4 号 p. 417-420

詳細
抄録

症例の概要:患者は,79歳男性で,右側頰粘膜癌切除術後,義歯が装着できず咀嚼困難を訴え来院した.口腔前庭の喪失と切除部の瘢痕化による開口障害を認めたため,口腔周囲の軟組織の可動域を精査した後に,床縁の位置を決定し,上下顎全部床義歯を製作した.

考察:本症例は,口腔腫瘍の切除により,義歯床の辺縁封鎖が困難であった.しかし,粘膜の可動域を考慮した,適切な床縁の設定により,義歯の維持および安定が得られた.

結論:頰粘膜癌切除後の開口障害を伴う無歯顎患者に対し,床縁の位置設定に配慮し,全部床義歯を製作したことにより咀嚼機能が回復した.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事
feedback
Top