2026 年 18 巻 3 号 p. 191-194
近年,高齢者において口腔機能低下と栄養状態は密接に関連し,咀嚼困難や嚥下障害が低栄養やフレイルを助長することが指摘されている.舌接触補助床(PAP)は摂食嚥下機能の改善に有効とされるが,栄養学的アウトカムとの関連を検証した研究は乏しい.これまでに,多職種連携による機能改善例や,舌圧・嚥下指標の改善に関する報告はあるものの,体重や摂取量,血液指標など栄養評価は十分ではない.高齢者では多因子が栄養に影響するため因果関係の解明は容易ではないが,今後は栄養指標を含む前向き研究と適応患者の明確化が求められる.本企画では,補綴歯科,栄養学,嚥下リハビリテーションの専門家が知見を共有し,統合的介入としての口腔機能支援の可能性を議論する.