2026 年 18 巻 3 号 p. 235-240
本稿では,部分床義歯設計におけるリジッドサポートの適応について,症例を通して検討した.特に咬合三角第4エリアに属する症例では,支台歯数および咬合支持が少ない一方で床面積を広く確保できるため,加圧要素と受圧要素のバランスが良好となり,リジッドサポートの効果が高く発揮される傾向が認められた.一方,すれ違い咬合や強い咬合力を有する症例では,支台装置の脱離や維持力低下などのトラブルが生じやすく,対症的対応を要した.また,第2エリアの症例では,欠損形態が類似していても,咬合力の方向や支台歯配置により予後に差が認められた.これらの結果から,リジッドサポートの適応に際しては,支台歯の歯軸方向への咬合力の制御が重要であり,咬合支持だけでなく力の方向性を考慮した設計が求められると考えられた.