日本補綴歯科学会誌
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原著論文
間接法によるファイバーポストを用いたレジンコアおよびメタルコアの生存率と成功率に影響する因子の検討
山下 小依花, 古玉 明日香, 野川 敏史, 今田 瑠偉, 高山 芳幸, 横山 敦郎, 坂口 究
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2026 年 18 巻 3 号 p. 303-312

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抄録

目的:間接法で製作されたファイバーポストを用いたレジンコア(FC)とメタルコア(MC)の生存率と成功率に影響する因子を探索した.

方法:北海道大学病院の患者を対象に,FC群とMC群について前向きコホート研究を行った.生存時間分析にはKaplan-Meier法とLog-rank検定を用いた.残存歯質量,最終補綴装置等を含む複数の因子について情報を収集し,Cox比例ハザードモデルを用いて解析した.残存歯質量のカットオフ値はROC曲線分析により決定した.

結果:FC(199歯)とMC(34歯)計233歯を対象とした.支台築造体装着から5年後の生存率および成功率には両群間の有意差は認められなかった.残存歯質の高さの最大値(MaxH)と補綴装置の材質の弾性率が生存率および成功率の予後に独立して有意な影響を与える因子と同定された.特にMaxHが生存率で2.0 mm以下,成功率で2.5 mm以下の症例,および弾性率が低い材質のクラウンを用いた症例で予後が悪化した.

考察:MaxHが一定の基準を上回ることで,築造体への応力集中が緩和され,脱離や破折等のリスクが大幅に低減されたと考えられる.また,金属やジルコニア等の弾性率の高い材質を用いたクラウンは,硬質レジン等の弾性率の低い材質のものと比較して,咬合力を受けた際の歯根への過度な応力伝達を抑制したと考えられる.

結論:FCとMCの5年経過時点での予後には差がない可能性が示された.築造体の良好な予後を得るには,2.5 mmより高いMaxHの確保と高い弾性率を有する歯冠補綴装置が重要であると示唆された.

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