日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
フレンジテクニックを応用した上下無歯顎症例
清水 崇雪
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2010 年 2 巻 1 号 p. 40-43

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抄録
症例の概要:上下無歯顎の女性.咀嚼障害を主訴に来院した.下顎の顎堤に著しい吸収が認められた.咬合高径の低下および下顎総義歯の維持および安定不良と診断した.新義歯では咬合挙上を行い,フレンジテクニックを応用し,排列位置および義歯床研磨面の形態を決定した.
考察:咬合挙上により,ゴシックアーチ描記では限界運動路が拡大し,側方セファログラム分析では下顎が術前より後下方に位置した.また,下顎総義歯の維持および安定が得られたことにより咀嚼障害が改善したと考える.
結論:本症例では,適切な咬合高径の設定およびフレンジテクニックを応用し新義歯の作製を行った結果,良好な経過が得られた.
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© 2010 社団法人日本補綴歯科学会
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