日本補綴歯科学会誌
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原著論文
地域高齢者の20歯以上保有と軽度認知機能障害の関連:1年の前向きコホート研究
西村 一将大井 孝高津 匡樹服部 佳功坪井 明人菊池 雅彦大森 芳寶澤 篤辻 一郎渡邉 誠
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2011 年 3 巻 2 号 p. 126-134

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抄録

目的:地域高齢者を対象に,20歯以上の保有と1年間での軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)発現との関連を検討した.
方法:70歳以上の地域高齢者に対して心身の総合機能評価を2年にわたり実施し,1年目のベースライン調査時にMCIを認めず,かつ2年目の追跡調査が可能であった557名(女性310名)を分析対象とした.認知機能の評価にはMini-Mental State Examination(MMSE)を用い,スコアが26点以上を正常,25点以下をMCIとした.現在歯数については歯冠を残す20本以上の歯の有無について調査した.MCI発現との関連が疑われるその他の項目として,年齢,Body Mass Index,脳卒中既往,心疾患既往,高血圧,糖尿病,喫煙,飲酒,抑うつ傾向,学歴,配偶者の有無,ソーシャルサポートの状態,身体活動度,主観的健康感について調査した.
結果:多重ロジスティック回帰分析を用いてベースライン調査から1年後のMCI発現の規定因子を検索した結果,男性において20歯以上の保有が,他の因子と独立して認知機能低下発現に対し有意なオッズ比の低値(オッズ比:0.19,95%信頼区間:0.04-0.82)を示した.
結論:現在歯を20歯以上保有することは,咀嚼機能の維持のみならず,高齢期における認知機能の維持においても優位性を持つ可能性が示唆された.

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© 2011 社団法人日本補綴歯科学会
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