抄録
目的:本研究では,CAD/CAMにより製作されたオールセラミッククラウン隣接面の接触関係回復に重要な,クラウンの近遠心幅径の設定について臨床的に評価し検討した./方法:被験者5 名の下顎第一大臼歯に対して,オールセラミッククラウンの支台歯形成を行い,Everest®,DECSY®を用いて作業模型から支台歯,両隣在歯の形状および位置データを採得した.オールセラミッククラウン製作に際しては,自動設計した標準型オールセラミッククラウン(標準型)と,近遠心幅径を増加させたオールセラミッククラウン(増加型)を設計し,セラミックブロックを切削加工後,研磨,グレージングを行った.オールセラミッククラウンの近遠心幅径をCNC三次元測定機で測定後に口腔内へ試適し,歯間離開度の測定ならびに引き抜き試験を行った.また,接触点の面積を測定した./結果:標準型ならびに増加型の近遠心幅径は安定した値を示した.標準型では歯間離開度が50~110 μmの範囲内に存在した.一方,標準型と比較し増加型では,引き抜き力は高い値を示した.また,接触点の面積には影響は認められなかった./結論:本研究より,CAD/CAMにより自動設計されるオールセラミッククラウンの近遠心幅径は,臨床的に許容できる範囲に設計されていることが示唆された.