抄録
歯槽骨造成を達成するためには,骨再生を阻害する様々な因子を排除しつつ,同時に細胞の骨形成能を促進させる多機能性分子の応用が効果的と考えられる.我々の一連の研究により,小分子の抗酸化アミノ酸誘導体であるN-アセチルシス-L-テイン(NAC)は創傷感染予防効果,生体材料の細胞親和性向上効果および骨芽細胞の分化促進による骨再生加速効果を示すことが判明した.今回,NACが示す多様な骨再生促進効果を供覧し,補綴前処置としての歯槽骨造成の新たなステージへと向かう,骨再生のための多機能性生体材料の可能性に関して,科学的認識の共有を図りたい.