抄録
症例の概要:患者は32歳男性で3|抜歯後の腫脹を主訴に近医を受診し,エナメル上皮腫と診断され,当院口腔外科より手術前に当科に紹介された.上顎骨部分切除術が予定され,術後8+3の顎欠損が予想された.術前に精密印象採得を行い,術後早期に機能と形態の回復を目的に早期顎義歯を装着した.術後約1年経過後最終顎義歯を装着した.最終顎義歯装着後,機能に問題なく良好に経過している.
考察:術前に印象採得を行うことで術前の歯列形態を再現した早期顎義歯を製作することが可能となり,術後から介入する場合と比べて早期に形態と機能回復を図ることができたと考えられる.
結論:術前からの補綴的介入により早期に機能回復を図ることができた.