日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
臼歯部咬合支持の喪失に対しインプラントおよび可撤性義歯にて対応した症例
高梨 琢也
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2014 年 6 巻 1 号 p. 67-70

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抄録
症例の概要:患者は61歳の女性.義歯での咀嚼困難を主訴に来院した.臼歯部の咬合支持は喪失しており,上顎前歯には軽度の動揺を認めた.インプラントでの咬合回復を検討したが,上顎欠損部は骨量が乏しくインプラント埋入が困難であった.下顎欠損部をインプラント,上顎欠損部を可撤性義歯にて補綴を行った.
考察:治療終了後3年経過しているが,咬合状態,義歯の適合状態は良好に保たれている.上顎前歯は正中離開,フレアーアウト等認めず,初診時に認めた動揺は軽減しており,臼歯部の補綴が上顎前歯の負担軽減につながったと考えられた.
結論:臼歯部咬合回復の結果,咀嚼障害の改善と上顎前歯の負担軽減が可能であった.
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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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