2014 年 6 巻 2 号 p. 161-166
インプラント適用の大半の症例は部分欠損症例であり,補綴後の長期性を考える場合にはインプラントと天然歯の共存が前提となる.天然歯とインプラントの関係において,これまでに支持組織の異なる二者を同一補綴装置内に組み込むことの是非は問われてきたが,欠損歯列内で天然歯とインプラントの差が生み出す経年的変化を捉え,さらに,補綴後の口腔内全体の長期性に着目した報告は少ない.
欠損歯列のレベル,リスクを把握し,補綴治療計画に反映することが重要であるため,本論文では15年経過例からインプラントおよび天然歯の併発症を観察し,さらに,インプラントの果たすべき役割,使用法を考察する.