日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
義歯の破折を繰り返す患者に対し補綴処置を行った1症例
浅野 明子
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2014 年 6 巻 2 号 p. 204-207

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抄録

症例の概要:患者は73歳男性.繰り返す義歯の破折と上顎前歯の歯肉の痛みを主訴に来院した.左側の臼歯部は鋏状咬合のため咬合支持は喪失し,偏心運動も困難な状態であった.また下顎の前歯は上顎の口蓋側歯肉に咬みこんでいた.旧義歯を用いて咬合を拳上後,被蓋の改善を目的に歯冠軸を修正し左側の咬合支持を確立,その後義歯を装着した.
考察:咬合を拳上することにより鋏状咬合の改善が達成され,同時にデンチャースペースを確保することができた.結果,長期にわたり安定した審美,機能を得られたと考える.
結論:臼歯部での咬合支持を得られたことにより,患者の主訴を改善し高い満足を得ることができた.

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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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