日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
短縮歯列として補綴処置を行った一症例
猪飼 紘代
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2014 年 6 巻 2 号 p. 212-215

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抄録

症例の概要:患者は51歳の女性.広範なう蝕と,う蝕や金属冠による審美障害を主訴に来院した.保存不可能な歯を抜歯後,大臼歯部での咬合支持は消失した.可撤性義歯での再建を拒む患者に対し,短縮歯列でのプロビジョナルレストレーションによる経過観察中,顎関節・歯周組織・咬合に問題を生じることなく経過したため,最終補綴に移行した.
考察:適切な診査・診断と,3~4カ月に1度の厳格なメインテナンスにより,現在まで,7年間問題なく経過したと考えている.
結論: 短縮歯列は,すべての患者に適応できるわけではないが,入念な診断とメインテナンスのもと行えば,有効な治療の選択肢の1つとなることが示唆された.

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© 2014 社団法人日本補綴歯科学会
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