抄録
症例の概要:15歳,男性.乳歯の咬耗による審美性不良を主訴に来院した.上顎の切歯と右側第二小臼歯の計5歯を除く永久歯が先天欠如し,非症候群性部分無歯症による審美障害・低位咬合と診断した.直ちにオクルーザルスプリントにて咬合を挙上し,乳歯の脱落が進むのを待って可撤性床義歯(オーバーデンチャー)による欠損補綴を行った.
考察:先天性無歯症の欠損補綴では,審美・咀嚼機能の回復に加え,成長期の咬合管理が重要な目的となる.本症例では,乳歯脱落に先行して開始したスプリント治療とその後の欠損補綴により,咬合を適切に維持することができた.
結論:先天性無歯症に対し,積極的な咬合管理の有効性が示唆された.