日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第124回学術大会/専門医研修単位認定セミナー「全部床義歯補綴の統一見解」
全部床義歯補綴の床形態に関する統一見解
鈴木 哲也大木 明子
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2016 年 8 巻 1 号 p. 18-23

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抄録
松田論文で述べられる全部床義歯の印象採得に関わる問題提起に対して,1)印象圧については,加圧部位よりも無圧部位に留意した印象採得が臨床的には妥当であること,2)顎舌骨筋線を超えての床縁の延長は必須だが,その長さよりも研磨面形態に留意すること,3)後顎舌骨筋窩では舌のスムーズな運動を妨げないことを第一に考え,維持力を期待しての床縁の過度な延長は慎むことを現時点での見解とした.臨床においては,義歯の形態にも優先順位はあり,その時々で到達すべき目標を即座に判断する能力が補綴歯科専門医に求められる.そこで,印象採得の本質を理解していれば,術式ありきではない柔軟な診療が可能となる.
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© 2016 公益社団法人日本補綴歯科学会
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