日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第124回学術大会/臨床スキルアップセミナー 「口腔機能の客観的評価としての舌圧測定:その意義,開発から展望まで」
高齢者の口腔機能向上への舌圧検査の応用
津賀 一弘
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2016 年 8 巻 1 号 p. 52-57

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抄録
舌圧検査は,簡便に実施できる客観的口腔機能数値評価である.現在,バルーン状口腔内用プローブを口蓋前方部と舌の間で随意的に最大の力で押し潰させ,内部の空気圧の変化を測定する機器(JMS 舌圧測定器)が医療機器承認を受け,医療・介護の分野で活用され始めている.その結果,加齢に伴う舌圧の低下や摂食機能の低下などが定量的に明らかになりつつある.検査結果の数値は即時に表示され,口腔機能の重要性の理解や訓練への動機づけのフィードバックに応用できる.検査結果を基に口腔機能を鍛える訓練器具(ペコぱんだ®)も開発されており,補綴診療におけるシステマティックな口腔機能向上プログラムの実施が可能となってきている.
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© 2016 公益社団法人日本補綴歯科学会
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