抄録
症例の概要:初診時73歳の男性で,上顎左側歯肉悪性腫瘍と診断され,腫瘍切除術前に口腔外科より紹介を受けた.術後15日目に早期顎義歯を装着し,術後1年創部の安定を待った後,最終顎義歯を製作した.その後,鼻腔への液体流入を訴えていたため,粘膜調整材を用いた動的印象により栓塞子部の機能印象を採得し,間接リラインを行うことで封鎖性を改善した.
考察:動的印象と間接リラインによって栓塞子部の封鎖性を改善させる本法は,上顎顎義歯装着後の鼻腔への液体流入に対して有用であると考える.
結論:上顎顎欠損患者に対して動的印象と間接リラインを行ったことで,鼻腔への液体流入は解消し,患者の満足が得られた.