抄録
症例の概要:患者は63歳の男性.上顎右側ブリッジの動揺による咀嚼困難を主訴に来院した.中咽頭癌に対する70Gyの放射線治療の既往があり,唾液分泌障害を生じ,全ての残存歯に歯頸部う蝕・辺縁性歯周炎が認められたため,放射線顎骨壊死と清掃性に配慮して補綴処置を行った.
考察:抜歯の可否を検討した上で,感染源となる可能性が高い歯牙を抜去することで,放射線骨壊死を惹起させることなく経過したと考えられる.
結論:放射線晩期障害を有する症例に対し,放射線性顎骨壊死の予防・プラークコントロールの徹底により対応することにより,良好な治療結果を得た.