2016 年 8 巻 4 号 p. 426-429
症例の概要:81歳の女性患者で,上下顎歯列欠損および上顎前歯部固定性ブリッジの脱落による咀嚼困難と審美不良を主訴に来院した.咬合高径の分析結果より低位咬合と診断した.プロビジョナルレストレーションおよび治療用義歯にて咬合挙上を行った後,最終補綴装置を装着した.
考察:形態学的かつ生理学的に適した咬合高径を求めることにより,患者は顎関節部に異常を起こすことなくプロビジョナルレストレーションおよび治療用義歯を使用し,最終補綴装置を装着できたと考えられる.
結論:本症例では,咬合挙上および咬合再構成を行うことで,咀嚼障害および審美障害が改善された.