日本補綴歯科学会誌
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原著論文
CAD/CAMレジンクラウンの2年間の臨床経過観察
山瀬 勝曽布川 裕介石田 鉄光岡田 智雄
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2017 年 9 巻 2 号 p. 137-144

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抄録

目的:日本歯科大学附属病院におけるCAD/CAMレジンクラウンの臨床応用実態を把握するために,小臼歯に装着された補綴装置の装着本数を調査した.

方法:平成26年4月から平成28年3月までの24カ月間に日本歯科大学附属病院で装着されたCAD/CAMレジンクラウン,硬質レジンジャケットクラウンおよび全部金属冠の本数を調査した.CAD/CAMレジンクラウンについてはトラブルの割合を調査し,その原因を検証するため装着操作に関するアンケート調査を行った.

結果:CAD/CAMレジンクラウン,硬質レジンジャケットクラウン,全部金属冠の装着数はそれぞれ474個,196個,818個であった.CAD/CAMレジンクラウンの装着本数は徐々に増加し,平成28年3月では小臼歯補綴の51.3%を占めた.脱離・破折といったCAD/CAMレジンクラウンのトラブルの割合は5.7% であった.装着操作についてはサンドブラスト処理が37.8% の症例でしか行われていなかった.

結論:CAD/CAMレジンクラウンの装着数は増加しており,小臼歯の補綴装置として認知されてきていることが示唆された.しかし脱離・破折症例も認められたため,適応症の選択や接着操作に留意することが示唆された.

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