2017 年 9 巻 2 号 p. 145-148
症例の概要:患者は30歳の女性.咀嚼困難と外観不良を主訴に本院を受診した.先天性欠如部位の部分床義歯に満足しておらず,口腔インプラント治療を選択した.予後不良な乳歯の抜去後,骨増生法を併用してインプラント体を埋入した.暫間補綴装置でアンテリアガイダンスを確立した後,最終上部構造としてインプラントレベルのオールセラミッククラウンを装着した.
考察:顎骨幅径の不足は先天性欠如によるものかもしれない.顎堤粘膜が菲薄なため,裂開を回避するためGBRではなくベニアグラフトを選択した.
結論:先天性欠如と乳歯晩期残存を有する症例に対して,骨増生法を併用した口腔インプラント治療は有用であった.