日本補綴歯科学会誌
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原著論文
超小型ウェアラブル筋電計を用いた夜間睡眠時ブラキシズム評価
山口 泰彦三上 紗季斎藤 未來中島 利徳前田 正名齋藤 大嗣佐久間 俊光谷内田 渉後藤田 章人岡田 和樹
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2017 年 9 巻 4 号 p. 365-373

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抄録

目的:本研究の目的は,超小型ウェアラブル筋電計FLA-500-SD(FLA)による睡眠時ブラキシズムの評価について外来患者での確実な実施の可能性を検証することである.

方法:被験者は臨床所見から睡眠時ブラキシズムと診断された外来患者10名である.同装置を用いて自宅で記録した夜間睡眠時咬筋筋電図を解析した.最大振幅が20%MVC(maximum voluntary contraction)以上で0.25秒以上持続した筋電図波形を睡眠時ブラキシズムバースト(SB-B)として抽出した.

結果:FLAの操作を行えなかった被験者はなく,睡眠に関する自覚のvisual analog scale による評価は通常時と測定日の間で有意差を認めなかった.筋電図の基線は安定しており,相動性のphasic 波形,持続性のtonic波形,非常に低い振幅で長時間持続する筋活動波形などが明瞭に観察できた.1時間当たりのSB-B数の平均(±SD)は14.3±11.2 /h,1 波形当たりの波形持続時間の平均(±SD)は2.28±0.92 sec であり,個々の被験者のこれらの解析項目の値は過去の標準値と比較できた.

結論:FLAは,外来患者自身が簡便かつ確実に装着,操作でき,基線の安定した明瞭な筋電図を自宅で無拘束に記録可能であった。また,得られた筋電図波形の解析により睡眠時ブラキシズムの程度を評価できることが示された.

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