日本臨床外科学会雑誌
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症例
外傷性小腸穿孔を契機に発見されたCrohn病の1例
山崎 祐樹新保 敏史前多 力吉光 裕佐久間 寛北村 星子
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キーワード: 外傷, 腸管穿孔, Crohn病
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2015 年 76 巻 6 号 p. 1383-1386

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抄録
症例は39歳,男性.子供に逆上がりを教えていた際に鉄棒で下腹部を強く打った.痛みは消失していたが,夕食後より下腹部痛および嘔吐が出現し,前医を受診した.経過観察目的に入院していたが,翌朝より高熱が出現し,腹部CTにて微量の遊離ガスを認め,当科紹介受診となった.消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.回腸に約30cmにわたり浮腫状で発赤を伴う腸管および腸間膜の肥厚を認めた.その他の腸管には異常を認めず,小腸切除を施行した.切除標本では腸間膜付着部に沿って縦走潰瘍を認め,外傷により微小穿孔が起こったものと考えられた.病理所見で類上皮細胞性肉芽腫と全層性の炎症性細胞浸潤を認め,Crohn病と診断した.
Crohn病の患者では比較的低エネルギーの外傷でも腸管穿孔を起こし得ると考えられ,低エネルギー外傷による腸管穿孔の患者では稀ではあるが,Crohn病も念頭に置きながら診察を行う必要がある.
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© 2015 日本臨床外科学会
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