日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成16年度日本調理科学会大会
セッションID: 2E-a5
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一般講演
若年女性の味覚の感度
*小川 久惠豊満 美峰子松本 仲子
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キーワード: 味覚, 感度, 若年女性
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抄録
【目的】調理済み食品の使用が避けられない現在、その多用によって微量栄養素が不足し、その結果味覚感度が低下するという報告が散見される。そこで現在の若年女性の味覚感度について、五味識別や濃度差弁別の官能検査を行い、1972年松本等が実施した過去のデーターと比較するとともに、官能検査成績とアンケート調査による食事の摂取状態や調理済み食品の使用頻度および調理学の成績等との関連性について検討した。
【方法】官能検査は2003年度短大入学生を対象とし、1972年に松本等が設定した方法に従った。すなわち甘、鹹、酸、苦、旨の五味の識別と苦味を除く四味の濃度差弁別テストを行い、アンケート調査は同対象者に留め置き法で行った。検討事項は1.2003年度入学生(119人)と1972年度入学生(250人)との味覚感度の比較. 2. 2003年度生の入学時と1年経過後の味覚感度の比較、3.日常生活における調理済み食品の使用頻度などの調査結果と味覚感度の成績との関連性を五味識別能力の高い回答者グループと低い回答者グループとに分けて検討した。
【結果】1.'03年度生と'72年度生の入学時の比較では甘、酸、苦、旨味については有意な差はみられないが、塩味では'72年度生が有意に正答率が高かった。2.'03年度生の入学時と1年後の味覚感度の比較では甘味、旨味については差が見られなかったが、塩、酸、旨の3味で正答率が向上した。またこれを'72年度2年在学生(244人)と比較すると、いずれの味も両年ともに正答率は80%以上で、有意差は見られなかった。3.調理済み食品の使用頻度と五味識別能力との関係については若年女性の味覚の感度、五味の識別能力が高いグループと低いグループとの間には差がみられなかった
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© 2004日本調理科学会
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