日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-p3
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口頭発表
保育所給食における食物アレルギー対応食導入時の労作時間および食材料費分析
*久保田 恵寺本 あい
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抄録

目的:近年、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患を示す小児が増加しており、保育所給食における食物アレルギー疾患児への対応は重要な課題となってきている。しかし、これまでの保育所給食におけるアレルギー疾患児への対応に関する調査は、発症率や原因食品、除去食療法実施率などについての報告に限られている。現在、保育所にでは食物アレルギー疾患児の昼食は自宅から持参するケースが多いが、今後は給食提供の要望が高まることが予想される。そこで、本研究は乳幼児の食物アレルギー疾患の原因食品として頻度の高い卵と牛乳について、実際にアレルギー対応の代替食を調理し、その労作時間及び食材料費分析をおこない、アレルギー対応食の実施に伴う問題点を検討した。
方法:岡山県内の保育所で実施されている給食献立を参考に3タイプのモデル献立A、B、Cを作成し、卵・牛乳除去の代替献立を展開した。この献立を用い、アレルギー対応あり・なしの場合について、調理担当者2名により50食規模で2回ずつ大量調理を行ない、調理作業時間及び食材料費の変動を検討した。50食の内訳は離乳後期10名(うちアレルギー児2名)、1~2才児20名(うちアレルギー児4名)、3~5才児20名(うちアレルギー児4名)とした。
結果:各献立により労作時間及び食材料費の負担増減の程度は異なった。「アレルギー対応なし」を対照とし「アレルギー対応あり」と比較したところ、すべてを手づくりで代替献立を実施すると食材料費は-0.5~6%の増加、労作時間は6~44%の増加となった。また、一部市販アレルギー対応食品を使用すると、食材料費は9~13%の増加、労作時間は0~31%の増加となった。

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