日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2E-p8
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口頭発表
ゴマのラジカル捕捉活性におよぼす高圧処理の影響
*福田 靖子小関 成樹山本 和貴
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抄録


(目的)調理や食品加工への高圧利用は1987年に林により提唱され、殺菌のみならず、食材のタンパク質やデンプンの物性改質、酵素反応・発酵制御等への利用が試みられている。ゴマは機能性成分として遊離型や結合型リグナン類を約1%含み、LDL酸化抑制、大腸癌抑制などの機能が明らかにされている。本研究ではゴマの機能性をさらに高めることを目的に、ラジカル捕捉能におよぼす高圧処理の影響を検討した。
(方法)試料ゴマは高リグナン改良種「ごまぞう」およびその発芽体(発芽条件:30℃,48hr)を400MPaで10min処理し、さらに各試料とも3種の温度条件(4℃,25℃,37℃)で24hr保存後に凍結乾燥した。ラジカル捕捉能はDPPH法、高圧処理による成分量変化はHPLC(逆相系カラム;H2O-MeOH系;検出280nm)で測定
(結果)高圧処理により、ごまぞうのいずれもコントロール(未処理・凍結)に比べ、HPLCチャートの高極性域に3本のシャープなピークが認められた。これら高極性成分量ピーク面積は 37 ℃,24hrの保存により発芽ごまぞうで1.3倍に増大した。DPPH捕捉能は発芽ごまぞうで有意に高まった。これら成分変化やラジカル捕捉能変化は酵素活性化等に起因するもの推定され、本研究によりゴマの高圧処理による新食材開発の可能性が示唆された。

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© 2006日本調理科学会
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