日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-1
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ポスター発表
紫黒米の炊飯に及ぼす有機酸の影響
*岸本 律子長谷川 悦子合田 清尼子 克己中嶋 加代子
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抄録

【目的】紫黒米「むらさきの舞」は兵庫県立農業水産技術総合センター酒米試験地で育成された(1999)ウルチ品種の有色素米であり、種皮およびヌカ層に大量に含まれるアントシアニンは抗酸化性を有し、視力改善や老化防止などの生理的機能性成分として注目されている。紫黒米の食品機能性を有効に利用するためには玄米、またはヌカ層を残して搗精したものを調理することが重要である。食酢を加えると軟らかく、粘りのある米飯が得られることが知られている。アントシアニンはpHによって呈する色が変化する。本研究は「むらさきの舞」の玄米および搗精度の異なる精白米に有機酸を添加して、米粒に及ぼす物性および色の変化を検討し、適正な「むらさきの舞」の炊飯方法を確立することを目的とする。
【方法】「むらさきの舞」および「ヒノヒカリ」(白色米ウルチ品種)の2品種の玄米を生産者から収穫直後に入手した。玄米は家庭用小型搗精機により搗精した。「むらさきの舞」玄米は10℃、24時間浸漬後、精白米はそのまま洗米し、「ヒノヒカリ」精白米に混合し、米重量の1.5倍量の、水、0.2M酢酸液またはその他数種類の有機酸を加え、30分放置後タイガー炊飯器(JAT-A550)を用いて炊飯した。炊飯に用いた液のpHを測定した。米粒の色は測色色差計(日本電色工業 ZE-2000)により、物性はクリープメーター(山電RE2-3305)により破断強度解析とテクスチャー解析を行った。混合飯の水分含量を赤外線水分計(ケットFD240)で測定した。
【結果】「むらさきの舞」混合飯の色は有機酸添加により鮮やかな濃い赤紫色に変化したが水分含量には大きな差はなかった。混合飯の米粒の破断強度は0.2M酢酸添加により低下した。米の搗精度および有機酸の種類と飯の色および物性の関連を考察する。

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© 2006日本調理科学会
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