【目的】電磁調理器(IH:100V、200V)とガスこんろの比較実験を広く各地で行い、それぞれの加熱方法の特徴を明らかにし、調理教育及び一般消費者に資する資料作成を目的として共同研究を行ってきた。昨年度の標準の鍋・フライパンを使用した実験に加え、材質や厚さが異なるものを使用し、受熱器具の影響を調べた。
【方法】各地で所有のIHヒータ(14種)およびガスこんろ(12種)を使用した。標準鍋としてステンレス直径22cm両手鍋と、アルミニウムとステンレスの2層・テフロンコーティング直径24cmフライパンを、比較対照として鍋底厚さの異なる多層鍋および鉄製のフライパンを用いた。水の昇温速度(熱電対)、鍋底の温度分布(放射温度計)、模擬ホットケーキの焼き色(写真撮影)を比較検討した。
【結果】昇温速度を比較すると、ガスこんろでは鍋の材質により昇温速度が異なる傾向が見られた。ホットケーキの焼き色のつき方については、鍋底の温度分布の影響を受け、薄手のフライパンではガスこんろの炎の形、IHヒータではリング状に焼きムラが出るが、鍋の厚さや材質を変えることによって焼きムラを軽減することができることが確認された。