日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-32
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ポスター発表
ザンビア共和国の乾燥食品のポリアミン量と子供の摂取量
*遠藤 千鶴西堀 尚良後藤 月江
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抄録

【目的】ポリアミンは全ての生物の細胞に存在し、植物系はアルギニンから動物系はオルニチンから合成される物質で、細胞の増殖に不可欠であると考えられている。そのため食品中のポリアミン含有量とその摂取量の把握が重要となっている。遠藤らは乳幼児死亡率が高いザンビア共和国(アフリカ)で子ども達の栄養調査を行っていることから、ザンビアの食品のポリアミン含量を分析し、子どもの摂取量を検討した。
【方法】ポリアミンの分析に供した食品は検疫所を通して持ち帰った乾燥食材で、植物性食品7種と動物性食品3種の計10種類である。試料調製は食材をミルで粉砕後、5%TCA溶液中でホモジナイズし、遠心分離した。さらにその沈殿物に5%TCAを加え同操作を繰り返し、上澄みをHPLC(イオン交換カラム)で定量した。ポリアミン摂取量は分析値より年齢別に算出した。
【結果・考察】HPLC の結果、植物性食品からはプトレシン、スペルミジン、スペルミンが同定でき、中でもCow pea は他の食品に比較しスペルミジン(1151±67n mol/g)が多く含まれていた。一方、動物性食品からはプトレシン、スペルミジン、カダベリンが同定できた。動物性食品にはプトレシン、カダベリンが多量に含まれていることがわかった。子どもたちの摂取量をみると、ザンビアの子ども達は食事量が少ない上、動物性食品の摂取も少なく、西堀らが報告1)している日本人の摂取量から考察しても少ない量であった。
1)N.Nishibori et al.Food Chemistry , In press

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