日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-37
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ポスター発表
食生活の多様化に関する研究
*大坂 佳保里阿部 祐加子金武 由利子
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抄録

【目的】21世紀を迎え、わが国の生活様式の多様化は著しく、これに呼応するように食生活も常に変容している。その中で、近年、1日3食を規範とした喫食行動に変化が生じ、欠食をはじめとした食の問題行動が表面化するに至っている。豊かな社会生活の一面でもあった多様化が、個人レベルで大きく展開するに至り、ともすると気ままな生活を誘発し、国民病の感がある生活習慣病の増加やその前駆症状と考えられるメタボリック・シンドロームの増加に拍車を掛けている可能性が否めない。そこで、日常の生活時間のありようが喫食行動に大きく影響を及ぼすものと考え、女子学生の生活時間を調査し、今後の食教育の手がかりとすることを目的とした。
【方法】2005年4月から5月にかけて喫食行動を中心とした1週間の生活時間調査を行い、単純集計とクロス集計を行った。
【結果】調査対象者は同意の得られた38名である。起床時間は平日が6時47分±38分、休日は9時24分±102分と両者に差が認められ、特に休日では対象者間のバラツキが大きかった。しかし、就寝時間では平日は0時16分±43分、休日が0時31分±55分とあまり差は認められず、生活時間の夜型への移行が恒常化していることが伺えた。睡眠時間は平日では6時間31分±53分、休日では8時間56分±112分と、平日の睡眠不足を休日に解消している姿が浮上した。喫食の所要時間は朝食、昼食、夕食の順に長くなるが、休日が平日より長い傾向にあった。本研究から生活時間はバラツキあり、個人差が大きいことが認められた。これは生活の多様化に起因していると考えられ、これが喫食行動に負の変容を生じさせ、欠食などの食の問題行動を誘発しかねない。今後、さらに生活時間に着目し、食の多様化との関係で検討を行なう予定である。

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© 2006日本調理科学会
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