日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-39
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ポスター発表
若年層の食意識と嗜好に関する教育効果
飯田 文子*戸田 美穂
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キーワード: 若年層, 食意識, 嗜好, 教育効果
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抄録

目的 食生活の乱れが低年齢にまで及んでいることが指摘されている。そこで我々は若年層を中心に意識調査を行い、食べ物に対する選択基準やおいしさに関する意識を明らかにした上で、大学生に対する食教育効果を含め考察し、今後の食教育についての指標を得ることを目的とした。
方法 日本女子大学附属小学校・中学校・高等学校・大学および社会人1169名を対象とし、留め置き式アンケート調査を行い、小学校198名、中学校241名、高等学校252名、大学173名、社会人108名の回答を得た(回収率83.1%)。内容は食品の選択基準・満足度・食に対する意識・食生活指針に関する項目・嗜好・食行動で、小学生に関しては考慮を加えた。また大学1年生と4年生の味覚に関するテストは27名について行った。
結果 食品の選択基準では、外部情報の影響を一番受けやすいのは大学生で、次いで中学生・高校生、小学生と社会人は受けにくい結果が得られた。おいしさ・満足度の判断基準は、小中高生は「味」を中心とした基準で判断するのに対し、大学生以上はさまざまな視点を重視していた。食行動に関する質問では、食生活を自由に選択できるようになるとその行動は乱れることがわかった。食生活指針に基づく質問では、食物学科の学生に教育効果がみられた。食に対する意識の高い人は、主食2菜添え物などの整った食生活をしていた。大学生の味覚テストでは1年生よりも4年生のほうが本物志向であった。以上より食物学科で学ぶ大学生は食意識・食行動・味覚について優れており、食物学科で学ぶ効果は期待でき、このことから家庭教育や栄養教諭による食教育効果は十分期待できると結論づけられた。

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