日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-44
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そうめんの嗜好と地域特性
*植田 和美高橋 啓子
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抄録

【目的】日本各地で生産されている手延べそうめんはもともと農家の副業、家内制手工業
として作られてきたものであるが、近年は組合や製麺会社などにより均一で高品質な商品の生産・流通へと変化している。しかし、地産地消やスローフードの観点から伝統的地域
特産品として見直されるべきである。そこで、本研究ではそうめんの嗜好を把握するとともに、各地の手延べそうめんの食品学的特性について測定を行い嗜好との関連を検討した。
【方法】そうめんの嗜好に関するアンケート調査は留め置き法により実施した(平成14年12月,327名,回収率81.3%)。食品学的特性については、生産量の多い7地域を選び、各地域5種類の手延べそうめんを試料として用いた。測定項目は、乾麺およびゆで麺の太さ・直径、重量、色などの性状、乾麺の水分含量、塩分含量、そして、ゆで麺のクリープメーターによる破断強度試験を行った。
【結果】嗜好調査より麺類は90%の人が好み、うどん、ラーメン、パスタ、そうめんの順
によく食べていた。そうめんは主に夏(90.5%)に食され、冷やしそうめん(95.1%)汁物(46.8%)の順で簡単な調理法が多い。知っているそうめんの名称では、半田(77.4%)、三輪(57.6%)、小豆島(40.9%)と続いた。好みのそうめんの太さでは細め(57.6%)、太め(15.2%)、標準(27.1%)と細いものが好まれていた。食品学的特性では、乾麺の太さ・直径は試料によるばらつきがあるものの生産地域による特性が見られた。最も太い麺は半田(直径1.63±0.17mm)であり、最も細い麺の約3倍の値であった。塩分濃度は、生産地域より試料による差の方が大きく、製造時季により塩分調整が行われたためと考えられた。

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