日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-46
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ポスター発表
野菜類と魚介類の食嗜好に関する調査
*大須賀 彰子大越 ひろ
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キーワード: 食嗜好, 野菜類, 魚介類
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抄録


【目的】近年、若年者における食の問題として個食、孤食、偏食が挙げられて久しいが、このことは家庭における調理従事者の食意識や食嗜好と次世代の食嗜好と関係しているためと思われる。そこで本研究では、若年者と家庭での調理従事者(主に母親)の食嗜好についてアンケート調査を行い、両者の食嗜好の実態を把握し、調理従事者の食意識・食嗜好が若年者の食嗜好に及ぼす影響を検討した。
【方法】調査対象は本学学生及び学生の家庭における主たる調理従事者(主に母親)とした。アンケート調査は自己記入留め置き法にて、平成17年6月から10月に実施した。調査内容は、過去に嫌いだった食材の有無とその食材(今回は野菜類と魚介類に限る)、また克服した食材、克服の時期、克服理由とした。
【結果・考察】過去に嫌いな食材があったと回答したものは若年者の方が多かった。嫌いとして挙げた食材の出現頻度は、野菜類ではピーマン、セロリ、人参、なす、トマトが、魚介類では、うに、かき、いくら、あさり、うなぎが高かった。嫌いだった食材の克服状況を見ると、野菜類・魚介類ともに、年齢とともに克服したものは多く、時期は野菜類の方が魚介類よりも早い傾向を示した。克服理由は、野菜類、魚介類を問わず、若年者と調理従事者ともに「調理法」「食習慣」の回答が多かった。ことに調理従事者では「子どもの教育のため」を挙げていた。これらのことから、調理従事者の食意識・食嗜好が若年者の食嗜好に影響する可能性が示唆され、児童期からの家庭を中心とした食教育の重要性が認められた。

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© 2006日本調理科学会
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