日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1C-a5
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口頭発表
エダマメの茹で加熱による呈味成分およびビタミンC含量の変化
*三宅 紀子酒井 清子五十嵐 歩倉田 忠男
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抄録


[目的] エダマメは夏の食材のひとつとして親しまれており、特に新潟県は全国屈指のエダマメ作付面積を誇り、各地で様々な品種が栽培されている。エダマメの茹で加熱過程において呈味成分や栄養成分の溶出や分解の可能性が考えられるため、ごく短時間の加熱が望ましいといわれているが、その裏づけとなる科学的なデータは示されていない。本研究ではエダマメのおいしさに関与する呈味成分として糖および遊離アミノ酸、水溶性の栄養成分としてビタミンCをとりあげ、エダマメ中のそれぞれの含量に対する加熱時間の影響について調べることを目的とした。
[方法] 試料は、新潟県内で入手した市販エダマメ(肴豆)を用いた。試料は購入後速やかに10倍量の沸騰水中で3から10分間加熱し、直ちに莢から取り出して氷上で急冷した。糖、遊離アミノ酸、ビタミンCの分析はそれぞれ蒸発光散乱検出法、ポストカラム誘導体化蛍光検出法、電気化学的検出法を用いたHPLC法により行った。
[結果] 呈味成分のうち糖類についてはエダマメに最も多く含まれるスクロースをはじめとして3から10分間の茹で時間において有意な減少は認められなかった。また遊離アミノ酸についてはグルタミン酸、アスパラギンなどは3から10分間加熱において有意な低下は見られなかった。総遊離アミノ酸およびアラニンは7分間までの茹で時間ではほとんど変化しなかったが、10分間ではやや減少が認められた。総ビタミンCの残存率は3から7分間加熱で約90%以上であったが、10分間加熱では約85%とやや減少が認められた。以上の結果から7分くらいまでの茹で時間であればエダマメの呈味成分およびビタミンCは保持されていることが明らかになった。

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