日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-a2
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口頭発表
豆腐添加がそば及び米粉の麺生地に与える影響
*魚住 惠
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キーワード: そば, 米粉, , 豆腐, つなぎ, 微細構造
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抄録

目的:演者は先に、“そば切り”(以下“そば”と記す)を調製する際に、豆腐ペーストを添加すると、豆腐がそばでんぷん粒子の周囲を被い、つなぎの働きをすると同時にそば生地の水分変化を抑制する働きをすることを報告した。本研究では、そば粉と同様に水で捏ねただけでは薄く圧延し、切ることが困難な米粉生地に対する豆腐添加の影響を調べ、豆腐を麺生地に添加することによるつなぎ効果に関する新たな知見を得ることを目的として実験を行った。
方法:粳米粉とそば粉をそれぞれ0_から_100%の配合比で混合し、もめん豆腐をミキサーでペースト状にしたものと水を用いて麺生地を調製し、生の生地と加熱した生地の物性および放置による水分変化量を測定した。それぞれの生地の微細構造を電子顕微鏡により観察し、物性および水分変化量を比較し、検討した。
結果:適度な硬さの生地を打つ際の豆腐ペーストの換水値は57%で、そば粉と米粉で等しかった。米粉100%の生地は、豆腐の添加割合を増加させると、しっとりした手触りになり、加水量の約半分を豆腐で置換した生地は、生のまま製麺することが可能となった。米粉を含む生地においても、そば粉のみの場合と同様に、米のでんぷんの周囲に豆腐たんぱく質による膜が観察され、豆腐は米粉をつなぎ、生地の水分変化を抑制していると考えられた。

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© 2006日本調理科学会
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