日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-a3
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口頭発表
IHおよびガスコンロを用いた揚げ物調理に関する研究
*内山 綾子堀田 和孝須谷 和子升井 洋至
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抄録

【目的】近年、家庭用調理機器においても高機能化が進み、揚げ物機能については、温度設定をするだけで調理者自ら温度調節をしなくても調理可能となっている。
本研究では、揚げ物温度制御機能付きIHヒーターおよびガスコンロでの揚げ物調理を行い、個々の差異が調理物に及ぼす影響について検討した。
【方法】加熱調理機器は、IHヒーター(松下電器 HS32A)、およびガスコンロ(大阪ガス 110-5090 ガラストップ 内炎式)を用い、揚げ鍋は、IHヒーター付属鍋を使用して、揚げ物調理を行なった。揚げ操作は、IHヒーター、ガスコンロいずれも自動温度設定の揚げ物180℃に設定し、自動加熱で行った。各機器の設定温度到達ブザーが鳴った時点を揚げ物調理開始とした。対象食品として、市販冷凍コロッケ(CO-OP冷凍食品 牛肉コロッケ)、及びフライドポテト(Coop’s 有機フライドポテト)について検討した。揚げ物の評価は、吸油量、吸油率、脱水率、水分量(電子水分計 長計量器製作所 MC-30MB)、破断荷重(山電 BAS-3305)を行なった。
【結果】加熱調理機器としてIHヒーターを用いた方がガスコンロに比べ、揚げ物の吸油量、吸油率は低い傾向を、水分量は高い傾向を示した。脱水率において、コロッケの揚げ物では、一回の揚げ操作に投入する食材量により異なり、投入量が多くなるとIHヒーターの方が低かった。油温度は、設定温度到達ブザーが鳴った時の温度が異なり、IHヒーターの方が高かった。破断荷重は、明らかな違いは見られなかったが、官能的には、IHヒーターの揚げ物の方がサックリ感があり、好まれる傾向がみられた。

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© 2006日本調理科学会
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