日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-a9
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口頭発表
大量調理における「あえ物」の安全性に関する調査研究
*槙尾 幸子仲 克巳西山 勝利田口 充子保田 康子江口 幹子岡田 勝子吉田 礼子高木 昌子中嶋 町子中田 久美子田淵 満子金子 幸江三宅 由紀子俣野 紀子田中 薫竹ノ谷 陽子
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キーワード: 大量調理, あえ物, 安全性
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抄録

【目的】学校給食の調理場においては、原則として、全てその日に学校給食調理場で調理し、生で食用する野菜類、果物類を除き、加熱調理したものを提供することになっている。特に野菜類の使用については、原則として加熱調理することになっている。そのため野菜類を使用することの多い「あえ物」では洗浄、裁断、ボイル、冷却、水切りなど手の加わる工程が複数存在し、二次汚染の危険度が高いことから、食中毒が心配される。各調理場においては規模により機械、器具も異なり調理作業がマニュアル化されていない現状に着目し、作業工程の見直しを行い、ビタミン、ミネラル、食物繊維が摂取できる貴重な栄養源となっている「あえ物」がおいしく、安心して子どもたちに提供できるよう、衛生管理に基づいたマニュアルを作成したので報告する。
【方法】「あえ物」の工程を手順に沿って、問題があると考えられる箇所の拭き取り方法により安全性を確認した。拭き取り検査結果から、作業工程、加熱温度、加熱時間、冷却水を再度見直し、同様の拭き取り検査を実施した。
【結果】大量調理マニュアルに沿って、ボイル温度は3点測定し85℃1分間以上を確認して実施したにも関わらず、出来上がり食材から大腸菌群が検出された。加熱温度の確保により十分な衛生管理に基づいていると確信していたが、温度確認だけでは、十分な加熱になっていないことが分かった。作業工程を再度見直し、洗浄する量、加熱する量の違いにより、洗浄不足、加熱不足の確認ができた。機械、器具の違いはあっても、今後小分けの洗浄、小分けのボイル、温度の均一化のための攪拌の3原則を守ることが検証できた。

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© 2006日本調理科学会
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