日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2C-p6
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口頭発表
加熱方法による大豆のACE阻害活性と味の関連
*四十九院 成子山岸 美穂吉田 恵子
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キーワード: 大豆, ACE阻害活性, 加熱方法
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抄録
【目的】大豆は栄養価が高く、近年種々の機能性も報告されている。しかし豆が固いこともあり加工品としては利用されているが、日常の食事への利用は減少している。そこで本研究では機能性とおいしさとの観点から、豆の加熱方法の違いによる機能性成分の増加や豆の味などを明らかにすることを目的とした。機能性については血圧降下に関係するアンジオテンシン_I_変換酵素(ACE)阻害活性について検討した。
【方法】大豆を茹で加熱、蒸し加熱、圧力鍋加熱の3種の方法で比較した。また圧力鍋中の温度を100℃、112℃、118℃、121℃の4種の温度で比較する実験はオートクレーブを使用した。ACE阻害活性測定法は山本らの方法を用いた。また3種の方法で加熱した豆について、柔らかさの度合いをクリープメーターを用い破断強度測定によって比較した。豆の甘さについては、糖の定性、定量を行った。また官能検査も行い大豆の加熱方法による、豆のおいしさを物理的、化学的、官能検査の点から評価し、これらとACE阻害活性との関連を検討した。
【結果】圧力鍋加熱が、蒸し豆、茹で豆に比べ柔らかかった。またACE阻害活性は、圧力鍋加熱豆が最も強く、蒸し豆、茹で豆の順であった。茹で豆のACE阻害活性が低いのは、茹で汁にも阻害活性が認められたことから、茹で汁に阻害物が溶出したためと思われる。常圧による蒸し加熱では、おいしいと感じられる3_から_4時間加熱豆で茹で加熱よりも強い活性が認められた。またオートクレーブの温度の違いによるACE阻害活性は、官能検査で味の点でも一番おいしいという評価であった112℃15分加熱豆が最高値を示した。
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© 2006日本調理科学会
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