日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-a5
会議情報

口頭発表
官能評価による市販肉焼売の品質特性の比較
*吉田 順子堀 幾太郎菊池 英夫神山 かおる早川 文代
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】近年、日本人の食生活に占める加工食品の割合は年々増加している。なかでも、焼売は、惣菜、弁当等、用途が広く利用機会が多い。そこで、市販の肉焼売の記述的な官能評価を実施し、肉焼売の特性について明らかにすることを目的とした。
【方法】試料には市販の肉焼売8品を選定した。パネルはISO 8586-1に準拠した訓練を受けた15名で構成した。まず、パネルに試料の特性描写用語を書き出させて135語を得、専門家パネルの討議によって63語にまとめた。これらの用語について5段階尺度を用いた予備的な官能評価を行い、クラスター分析によって用語を分類し、最終的に、肉焼売の評価用語として19語(外観4語、味・におい8語、テクスチャー7語)を選定した。本評価は、これらの19語を評価用語として、両端から1 cmずつのところにマーカーを入れた10 cmの線尺度を用いて行った。試料は電子レンジで75 ℃まで加熱し、透明なプラスチック皿にのせ3分放置したのちに単独で提示した。データ解析には、一元配置の分散分析、Tukeyの多重比較、主成分分析、クラスター分析を適用した。
【結果】分散分析の結果、19語中18語に試料間の有意差がみられ、評価用語の妥当性が示された。主成分分析の結果、第1主成分を「肉の存在感」、第2主成分を「味付けの濃さ」、第3主成分を「液汁の量」と解釈できた。寄与率はそれぞれ、23%、17%、9%であった。また、第5主成分までの因子付加量を用いてクラスター分析(Ward法)を行ったところ、肉焼売は4クラスターに分類され、各グループの特徴を示すことができた。以上により、市販肉焼売の個々の特性や類似性について定量的に明らかにすることができた。

著者関連情報
© 2006日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top