日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 1C-a3
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口頭発表
管理栄養士養成施設1年次学生の調理に関する意識と日常調理行動の実態調査2
平成13~18年度入学生を対象とした調理関連科目履修前と履修後の比較
*楠瀬 千春
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キーワード: 調理, 技術, 食物栄養学部
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抄録


【目的】
 管理栄養士養成施設では,新カリキュラム施行により調理関連科目単位数は減少傾向にあるが,入学時の技術や知識では不十分な学生も少なくない.前報では,本学における調理指導法を検討することを目的とし,平成13年度(H13)から6年間,入学直後の学生を対象に調理技術や意識に関する実態調査を実施した.その結果,入学時に既に修得している技術の低下,日常調理頻度の低下,技術修得の場が家庭から教育機関に移行する傾向が認められたことを報告した.本報告では,1年次に開講している調理関連科目の履修前と後の調査結果の比較を行い,学生の技術と意識の変化を検討した.
【方法】
 調査期間:平成13~18年度.4月開講日,2月講義終了日に調査.対象:本学1年生(有効回答数,H13:108名,H14:106名,H15:99,H16:110,H17:104名,H18:103名).調査項目:調理に関する意識,日常の調理頻度,調理技術に関する自己評価,調理技術修得の有無,調理技術を修得した主な環境など6項目.
【結果】
 千切りなど野菜の基本調理技術について履修前調査では,H13は 80%が可能と回答したが,H18までに58%に減少した.履修後調査では,履修前の修得状況に関わらず、全年度で約96%が調理可能と回答し,学生の技術修得状況の改善が認められた.履修後の現在の技術を修得した主な環境については,H13は自宅が最多であったが,H17は60%が大学で技術修得したとした.この傾向はより高度な技術「魚の3枚卸し」で顕著で,履修前に可能と回答した学生はH18では13%まで低下した.履修後には96%が可能と回答したが,その学生の82%が大学で修得したと回答した.入学時の調理技術は低下傾向であるが,大学での指導で技術が向上し,履修後に,学生の日常調理頻度が増化傾向にあったことから在学中の調理指導の有効性と必要性が示された.

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