日本調理科学会大会研究発表要旨集
創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
セッションID: 2A-p8
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口頭発表
肢体障害者および聴覚障害者の食生活と調理実態
*濱中 香也子小林 和幸
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抄録

【目的】
 障害者が使いやすいIHクッキングヒータの開発を行うため、肢体障害者および聴覚障害者の食生活と調理実態を把握することを目的として、アンケート調査を実施した。
【方法】
 肢体障害者については、国立リハビリテーションセンターの同窓会である更友会、社団法人日本リウマチ友の会、埼玉県パーキンソン病友の会の会員を対象に計5,046名にアンケート調査票を配布、2,836名回収、聴覚障害者については、国立リハビリテーションセンターの同窓会であるはばたき会、聴覚障害者自身が編集している情報誌「いくお~る」の購読者を対象に計1,755名に配布、567名回収し、結果を集計、分析した。
【結果】
 (1)調理頻度:週5日以上調理をしている方が肢体障害者で74%、聴覚障害者で75%であった。外食頻度は肢体障害者で月数回以下の方が83%、聴覚障害者で64%となっており、自宅で調理・食事をするという食生活を多くの方がおくられていることが分かった。(2)調理意向:現在調理をしていない方も含めた全員を対象にした今後調理をしていきたいかの設問では、肢体障害者で「できるだけ自分で調理をしたい」、「ある程度は自分で調理をしたい」が86%であり、聴覚障害者で94%であった。現在調理をしていない方も含め調理に対して殆どの方が積極的であることが分かった。(3)調理をする上での苦労:肢体障害者で上位3項目は「調理器具のダイヤルを回す動作」、「グリルを引き出す操作」「調理器具のボタンを押す動作」であり、聴覚障害者では「換気扇の音が聞こえないので消し忘れる」、「やかん、鍋などが沸騰していてもわからない」、「電子レンジの終了したことがわからない」であった。
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© 2007日本調理科学会
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