日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-20
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ホワイトソルガムを用いたパンの製パン性に関する研究
*丸井 麻子肥田 由紀子但馬 知世子藤井 恵子
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抄録

【目的】
 近年の健康志向の高まりや、食物アレルギーの罹患率の増加などにより、雑穀が注目されている。本研究では、雑穀の一つであるホワイトソルガムを用いて、主要なアレルゲンを含まない、食物アレルギー体質の者でも安心して食べることの出来るパンの開発を目的とし、その製パン性について検討した。
【方法】
 ホワイトソルガム粉、砂糖、塩、イースト、水を基本材料とし、これらを10分撹拌・混合したのち、1次発酵、ベンチタイムの条件を検討して、220℃で24分間焼成した。最適条件を決定した後、食物繊維のイヌリン、増粘剤のHPMC、CMCを添加した。焼成後のパンは、常温(25℃、相対湿度65%)または冷凍(-20℃)で0~5日間保存した。各パンの物性として、比容積、破断応力、初期弾性率、水分含量、色度について測定し、また両極7段階尺度法で官能評価を行い嗜好性について評価した。
【結果】
 調製方法を検討した結果、ホワイトソルガムパンを焼成することができた。イヌリンを添加することで内相は細かくなり比容積も増大し、更にHPMC・CMCを添加することで、キメ細かい内相のパンを調製することができた。経時変化においては、水分の減少が著しく硬くなったが、冷凍保存すると変化がほとんどなく、ホワイトソルガムパンの品質を保持しながら流通させる方法として、冷凍が有効であることが示された。また官能評価においては、小麦粉で調製したパンに比べ、ホワイトソルガムパンは弾力性がなく、もろいと評価されたが、硬さにおいては有意差がなく、ホワイトソルガム粉100%でパンを調製してもほぼ等しい硬さのパンが調製できることが示された。
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© 2008日本調理科学会
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