日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-35
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ポスタ-セッション
ハーブの抗酸化性について
*中川 瞳村松 香奈和田 ゆかり三宅 義明
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抄録

【目的】
 ハーブは食べ物の劣化を防ぐ手段に使用され、抗酸化性をもつことが知られている。本研究では、各種ハーブ抽出液の抗酸化性を調べ、高い活性を有し、機能性成分のロスマリン酸を多く含むレモンバームに着目した。ハーブの特徴として、それぞれがもつ個性的な香りがあるが、強いレモンの香りのレモンバームについて、より多く、おいしく摂取するにはどのように食品加工、調理すべきなのか追究した。
【方法】
 市販されているハーブ乾燥品を熱水抽出し、DPPHラジカル捕捉活性測定から抗酸化性を調べた。逆相カラムを用いた液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、ハーブ抽出液に含まれるロスマリン酸等を定量した。レモンバーム添加クッキーを作製し、ロスマリン酸の含量の測定と嗜好的官能検査を行った。プレーン品(レモンバーム無添加)、レモンバームの葉入り品、レモンバームの抽出液入り品の3種クッキーを作製した。各種クッキーを粉砕し、粉砕物0.5gに10mlメタノールを加え、攪拌後、20分間超音波処理し、その後、遠心分離により上清(抽出液)を得た。各種クッキーの抽出液に含まれるロスマリン酸の含量をHPLCにて測定した。また、各種クッキーについて、21歳、41人を対象に、色、香り、味、甘味、食感、後味、総合評価から嗜好型官能検査を行った。
【結果】
 各種ハーブ熱水抽出物では、レモンバームが高いDPPHラジカル捕捉活性を示し、機能性成分のロスマリン酸が高含有であった。レモンバーム添加のクッキーでは、レモンバームの抽出液入り品よりレモンバームの葉入り品の方が、ロスマリン酸の残存量が多かった。官能検査の結果、葉入りクッキーは、ハーブの量が多いことから外観の嗜好性が低いが、食感が良く、味はプレーン品と同等の評価を得た。
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© 2008日本調理科学会
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