日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-17
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ポスタ-セッション
米粉クッキーの性質に与える品種や米粉特性の影響
*井川 佳子谷川 美紅芦田 かなえ
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抄録

【目的】
 米粉の用途を拡大するためには、種々の製品と米粉特性との関連についてデータが蓄積される必要がある。その一環として、本研究では米品種や米粉特性とクッキーの性状との関係を中心に研究を行った。
【方法】
 米粒の性質が異なる2種の市販精白米、あきろまん(広島県産)ときらら397(北海道産)を使用した。洗米後乾燥させた米を超遠心粉砕機((株)Retsh、ZM-200)で製粉と同時に、孔径の異なるスクリーンを通過させて粗粒と細粒を得た。粒径分布はレーザー回折式粒度分布測定装置で、損傷程度は酵素法(Megazyme社キット)で測定した。米粉懸濁液の熱糊化過程の粘度特性をRVAで測定した。米粉、グラニュー糖、卵、ケーキ用マーガリンを用いて、油脂割合(対米粉)40%、50%、60%の型抜きクッキー生地を作成し、170℃で12分焼成した。クッキーの重量、形状、表面色などを測定し、破断強度を調べた。別にクッキー生地の物性を測定した。油脂50%のクッキーを使用して評点法による官能検査を行った。
【結果】
 粗粒、細粒共にきらら397の粒径が小さい傾向であった。細粒の損傷度は大きく、粘度特性は4種の米粉間に違いがあった。粗粒では、きらら397クッキーの直径と比容積が大きくなり、破断強度が小さかった。細粒ではクッキー生地の物性を除いて、品種間の差が少なかった。官能検査より、粗粒きらら397クッキーはあきろまんに比べ、よりくずれやすく柔らかいと判定された。
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© 2008日本調理科学会
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