日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-38
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ポスタ-セッション
北海道産食材を用いた食育の研究(第2報)
どら焼き調理体験における食育の視点
*古郡   曜子菊地 和美
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キーワード: 食育, 関心, 北海道産食材
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抄録

【目的】
 食育では、子どもたちに食べることへの関心をもたせることが必要である。この研究では、学習者が北海道産の食材を知って調理体験を行なうことにより、どのような点に関心をもつのかを探り、食育を実践するための資料とするものである。
【方法】
 大学生と高校生を対象に、北海道産の小麦粉とクロテッドクリーム、北海道産ジャムを使用し、どらやきの調理体験をおこなった。調理体験の様子をVTRに記録し、授業分析の方法を用いて学習活動としての面から分析を試みた。
【結果】
 1味への予想―ジャムのにおいをかいで味の予想をした。2ジャムへの関心―色として人参ジャム、未知からアロニアジャム、においからミルクジャム、身近な食材としてじゃがいもジャムに興味をもった。3トッピングの構想―絞りだし袋を使うことで絵を描く感覚で考えた。4皮作りの楽しさ―「もっと難しいと思った」と予想外に簡単だということが分かった。5クリームの扱いへの着目―「もっと柔らかいと思った」とジャムとの混ぜ方に関心をもった。6トッピングの試行錯誤―トッピングを思いつかない学習者が、他の人のつくり方を見て自分の発想を持った。7クリームの扱い方での失敗―皮に温かいうちにクリームをおくと溶けることで失敗感を持ったが、そこから考えを変えて完成させた。8出来上がりの充実感―身近な北海道産の食材を知り、知らなかった食材への関心をもった。調理が予想外に簡単で、創造的なトッピングに楽しさを感じた。以上から、食育において、学習者に食材の特性をふまえて提供することと、学習者にとっての意外性と創造性に配慮することから、「北海道産食材への関心をもたせる」可能性が示唆された。
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© 2008日本調理科学会
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