日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-39
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ポスタ-セッション
片麻痺者の料理とIHのイメージ
*中村 眞理子後藤 葉子廣田 真由子濱中 香也子 小林 和幸
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キーワード: IH, 日常生活, 片麻痺者, 料理
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抄録

【はじめに】
 女性の日常生活に大きな時間を占める「調理・料理」は、障害者の家庭内役割としても注目される.小川ら、Allenらは家事行動をよく行う者に日常生活活動維持傾向があることを指摘しており,生活適応の重要な項目である.調理器具では電磁調理器(以下IH)は,火を使わず,温度設定が可能なことから,火災や火傷の心配が少なく安全とされ,障害者が料理を実施する場合に導入を検討されることが多い.しかし,長年使い慣れた器具とは使用方法や注意点が異なる為,躊躇するケースも多々ある.そこで、障害者の生活適応の項目と手段としての料理とIHに着目しイメージ調査を行った.
【対象】
 片麻痺10名(男性3名、女性7名、平均年齢62.7±9.7歳、IH使用経験者4名、日常平均調理頻度週4.4日),本学3年生21名(男性6名,女性15名,平均年齢21.1±1.7歳,IHの使用経験者7名,日常平均料理頻度週5日).
【方法】
 記入方法を説明した上で,料理とIHのイメージについて,反対の意味を持つ形容詞のペアからなるSD法を実施した.IHについては,片麻痺者では実際にIHを使用体験した前後で,学生では障害者を想定した調理実習(IH使用)の経験前後で調査を実施した.【結果と考察】料理・IHのいずれも,片麻痺者の方が学生に比して肯定的イメージが強かった.使用体験前のIHのイメージでも,片麻痺者は学生よりも肯定的なイメージが強く,自らの料理活動に対するIHへの期待が伺われた.片麻痺者では、使用体験後には、「優れた」・「有能な」というイメージが強くなる一方で、「自立的」という項目では若干ながら否定傾向に傾き、多機能・高性能であることに対する印象の反映と考えられた.
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© 2008日本調理科学会
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